日光写真のトーンニング実験

写房日誌

2019/05/16

トーンニングとは

日光写真の特徴である青色。この青のトーンは、薬液の調合、紫外線のあたり方、ベースになる紙や布の色などで、淡くなったり、濃くなったり、くすんだりします。さらに、できあがったブルーを「タンニン酸」に浸すことで、ワントーン渋い色に調色することができます。これをトーンニングと言います。「タンニン酸」は紅茶、お茶、ワイン、コーヒー、などに含まれます。

写真に向かって左から、コーヒー、紅茶、緑茶に上のパーツのみを浸しました。

実験

まず、端切れを3枚用意し、同じ条件で日光写真を作ります。その後、それぞれを真ん中で裁断し、片方だけをタンニン酸に浸します。写真に向かって上のパーツを左から、コーヒー、紅茶、緑茶に浸しました。

少しわかりにくいですが、紅茶は生地の色(白)への影響が強く、全体的に茶色くなります。緑茶は少し赤みが出ます。そしてコーヒーは生地への影響が少なく、青は渋いけど白抜けの良いあがりです。それぞれ、個性があります。作品によってコントロールできるようになると面白いですね。

1.生地の選択、2.露光の仕方、3.トーンニングで様々なブルーの表現ができる、奥の深い日光写真です。