写真のある生活を

ノートルダム中学高等学校でワークショップ授業

2018.08.1

category : ニュース

こんにちは、店長の本田です。

先日、ご縁あって京都の老舗女学校、ノートルダム中学高等学校で授業をさせてもらいました。「授業」と言っても僕たちは教育者ではないので、ワークショップという認識で挑みました。

対象は ste@m探求コース という中学一年生の少人数のクラス。学ぶ楽しさを知るほど、可能性が拡がっていくという考えで作られたクラスで、先生いわく 教科書に載っていることを暗記するのではなく、自ら興味を持ったことを探究することが勉強だとおっしゃってました。今回、僕たちは何かを発見したり、気づいたりするきっかけを作るという点でお手伝いできるのではないかということでお受けすることにしました。

 

ワークショップの内容は、サイアノタイプを使ったフォトグラムで しおりとポストカードを作るというもの。

ざっくりと解説しますね。サイアノタイプとは1840年代からある かなり初期の写真技術です。印刷機やコピー機が一般的になる前の時代に 設計図面の転写などによく使われていたそうです。設計図面が未来予想図を表すことから「青写真」という言葉の由来にもなっています。作り方は フェリシアンカリウムクエン酸鉄(Ⅲ)ナトリウム をそれぞれ、水に溶かして混ぜると光 (紫外線) に反応する感光剤となります。この感光剤を紙に塗布 (紙でなくても木でも布でも薬剤が塗れればなんでもOK) し、日光に当てることにより、紫外線が当たったところだけが反応し定着します。あとは、定着しなかったところを水で洗い流すと 像を得ることができます。フォトグラムとは感光剤を塗った紙の上に物を置いて、その形を写し取る技術のことです。フォトグラムの技術自体は写真が生まれた1930年代にすでにありましたが、本格的には20世紀初頭の芸術表現で盛んに使われました。当時のフォトグラムはサイアノタイプとは限らず、その他いろんな感光剤が使用されていました。というわけで、今回の授業の内容はサイアノタイプの技術を使ったフォトグラムのワークショップということになります。

 

さて、限られた時間の中での授業です。簡単な自己紹介と説明を済ませ、さっそく、フォトグラムで使うモチーフを拾います。場所はノートルダムが誇る隠れ癒しスポット 和中庵  (普段は非公開)。広いお庭を散策します(ああ和室の写真がない、、)。

和庭園には川も流れています。めちゃくちゃ暑いし 虫もいっぱいいるけれど、だんだん夢中になってきます。みんな、足元に気をつけて!

完成形をイメージして、思い思いに探します。

 

採取できたら、美術室へ移動します。和中庵からは少し遠かったけど、大人数での作業には大きな水場が必要ということで美術室を借りました。

紫外線を当てなければ反応は進みません。遮光カーテンで外からの光を遮って、感光剤を塗ったしおり や ポストカード拾ったモチーフを並べていきます。なかなか思い通りにいかないんだな、、、

セットできたら、レッツ露光!!灼熱の太陽で約2分半で露光が完了します。

露光したら水洗。この瞬間がドキドキたまらないです。予想外が面白い。お好みでオキシドールをかけると青のトーンが変わります。グラデーションにしてみたり、まだら にしてみたりと個性が出ます。

仕上がったらまた和中庵に戻って 乾燥 & まとめ。皆さん短時間で素晴らしい作品を作ってくれました!

 

始まってみれば、自分の準備が至らず、最後のまとめや お互いの作品を鑑賞するなどの時間がとれなかった。これだと ああ楽しかった で終わってしまう、、、

理想は、作業をしていく中で、科学、生物学、天文学、歴史、美術など様々なジャンルの視点からの 気づき があること。この日、感じたことをきっかけに少しでも深いところを探究してくれれば幸いです。当日まとめができなかったところを、このブログを読んで余韻に浸っていただけますと幸いです。

こんな中、グダグダにならずに成立したのは サポートしてくださった先生方、生徒さん、太陽、スタッフのおかげだと思う。みんなありがとう。 

 

 

あと、時間が余れば皆さんにじっくり見てもらおうと、和中庵の一部のスペースを使って簡単な展示をさせてもらいました。サイアノタイプで作った小物やプリント、湿板写真など少しマニアックで、興味を持ってもらえそうなもの。実際は時間が足りず、ゆっくりは見てもらえませんでしたが、また何かの機会に、ぜひお見せできればと思います。 飾ってみると、KYOTO GRAPHIE 風。可能性を感じる和中庵でした。

カテゴリー

ニュース

写房日誌